ドップラーソーダとは?風向風速の測定と成層状態の探知

ドップラーソーダとは?風向風速の測定と成層状態の探知

ドローン初心者

先生、『ドップラーソーダ』という用語がわからないんですが。

ドローン研究家

それは、音波を使って風向風速を測定する手法だよ。

ドローン初心者

音波を上空に発射するんですよね?

ドローン研究家

そうだね。その反射波から、空気の密度(温度)の違いを解析しているんだ。

ドップラーソーダとは。

気象観測に用いられる「ドップラーソーダ」という手法では、地上から上空約1kmまでの空気の性質を調べることができます。音波を大気中に放出し、その反射波を受信して空気の密度(温度)の違いを測定し、風向きや風速を計測しています。

ドップラーソーダの基本原理

ドップラーソーダの基本原理

ドップラーソーダの基本原理は、レーダーのドップラー効果を利用しています。レーダーから電波を発射し、大気中の分子や粒子に散乱させ、反射された電波を受信します。反射電波の周波数の変化から、大気中の分子の速度(風速)を測定できます。風は障害物と同様に電波を散乱させるため、その速度や方向がわかれば風向風速がわかります。

また、反射電波の強度は大気中の粒子の濃度やサイズに依存するため、成層状態(大気中の密度や温度の変化)の探知にも利用できます。電波が散乱される高度を変化させることで、大気中のさまざまな層の風向風速や成層状態を調べることができます。

風向風速の計測方法

風向風速の計測方法

-風向風速の計測方法-

ドップラーソーダでは、レーダービームを送受信することで、風向と風速を計測します。レーダービームはマイクロ波を使用しており、空気中の微小な粒子(エアロゾル)に反射します。この反射波のドップラーシフト(周波数変化)から、空気の速度を測定できます。

レーダービームを水平方向にスキャンすることで、気流の横方向の速度分布を取得できます。ビームを垂直方向にスキャンすることで、気流の鉛直方向の速度分布も取得できます。この情報を組み合わせることで、3 次元の気流構造が明らかになります。

成層状態の測定

成層状態の測定

成層状態の測定においても、ドップラーソーダが大いに活躍します。成層状態とは、大気中における温度や風速の鉛直分布のことです。ドップラーソーダは、レーダーの電波を大気中に送信し、気体分子の運動によるドップラーシフトを測定することで、気流の鉛直分布を把握できます。

このデータから、大気境界層の高さを特定したり、成層圏の厚さを推定したりすることができます。成層圏は、オゾン層を含む、上層大気の領域で、成層状態の変化は、大気汚染や気候変動のモニタリングに役立ちます。

ドップラーソーダの長所と短所

ドップラーソーダの長所と短所

-ドップラーソーダの長所と短所-

ドップラーソーダは、風向風速を測定する優れたツールですが、長所と短所の両方を持っています。

長所として、局所的な風速をリモートで測定できることが挙げられます。また、層状の風速度構造を詳細に測定し、成層状態を調べることができます。さらに、レーダーと異なり、電波障害が発生しにくい場所でも使用できます。

短所としては、測定範囲が比較的限られていることが挙げられます。また、強風下や降水下では正確な測定が困難になります。さらに、測定には時間がかかり、リアルタイムの風速測定には適していません。

実用的な応用例

実用的な応用例

実用的な応用例

ドップラーソーダは、主に大気中の風向風速と成層状態の測定に使用されますが、これ以外にもさまざまな実用的な応用例があります。たとえば、航空機の着陸支援や航空交通管理、大気汚染のモニタリング、気象予報の精度向上などです。また、ドップラーソーダは、気球やロケットの追跡、風力タービンのモニタリング、さらには犯罪捜査においても使用されています。

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