ガーデニングの用語『生理障害』とは?
ガーデニングを始めたい
『生理障害』について教えてください。
ガーデニング研究者
『生理障害』とは、根の養分吸収機能阻害や養分の欠乏・過剰によって発生する障害のことを指します。
ガーデニングを始めたい
なるほど。カルシウム不足によるトマトの尻腐れも『生理障害』の一種ですか?
ガーデニング研究者
その通りです。他にも、マグネシウム不足によるトマトの下葉のクロロシスや、ホウ素不足による症状などがあります。
生理障害とは。
「生理障害」とは、植物の根から養分を吸収する機能が妨げられたり、養分が不足したり過剰だったりすることによって発生する障害のことをいいます。具体的には、カルシウム(Ca)が不足することでトマトの尻腐れやハクサイの芯腐れ・縁腐れが発生したり、マグネシウム(Mg)が不足することでトマトの下葉が黄化したり(クロロシス)、ホウ素(B)が不足したりします。
生理障害とは
生理障害とは、植物が病気や害虫による影響ではなく、環境条件や栄養バランスの乱れによって引き起こされる障害のことです。さまざまな要因が絡み合って起こり、植物の成長や見た目に影響を及ぼします。適切な環境条件と栄養管理を行うことで、生理障害を予防または軽減することができます。
カルシウム欠による尻腐れ
カルシウム欠による尻腐れとは、トマトやピーマンなどの果実の尻側の部分が茶色く腐ってへこむ生理障害です。カルシウムは果実の細胞壁を強化し、病気に対する抵抗力を高めますが、不足すると細胞壁が弱くなり、病原菌が侵入しやすくなります。原因としては、カルシウム分の少ない土壌や、過剰な窒素施肥によりカルシウム吸収が阻害されることが挙げられます。
マグネシウム欠によるクロロシス
-マグネシウム欠によるクロロシス-
マグネシウム欠乏症によるクロロシスは、葉の緑色素であるクロロフィルの生成に不可欠なマグネシウムが不足することで発生する生理障害の一種です。マグネシウム不足になると、葉脈がまだ緑色を保っている間に、葉肉部分が黄化するようになります。
この症状は、古い葉から新しい葉に向かって現れます。葉全体が黄変し、重症化すると白や赤の色味を帯びることがあります。また、葉が小さくなったり、巻いたり、歪んだりすることもあります。マグネシウム欠乏症は、葉の光合成能力を低下させ、植物の成長や収量に悪影響を与える可能性があります。
ホウ素欠による欠乏症
ホウ素欠による欠乏症は、ホウ素が不足することで引き起こされる生理障害です。ホウ素は植物の細胞壁形成に不可欠な微量元素で、その欠乏は組織の異常や生育不良につながります。
ホウ素欠による症状は、作物によって異なります。一般的には、葉が小さくなり、変色したり、丸まったりします。また、花や果実が奇形になったり、生育が阻害されたりすることもあります。ホウ素欠は、特に酸性土壌や塩類集積土壌でよく見られます。
生理障害の予防と対策
生理障害の予防と対策
生理障害を防ぐためには、適正な栽培環境を確保することが不可欠です。適切な日照量と温度、十分な水分と栄養素の供給、そして適切な土壌pHを維持することで、植物の健全な生育を促進し、生理障害の影響を最小限に抑えることができます。
また、適切な病害虫対策を行うことで、植物が病害虫に侵されて生理障害が発生するリスクを軽減できます。病原菌や害虫の発生を防ぐために、清潔な栽培環境を維持し、適宜農薬を散布しましょう。さらに、マルチングやコンパニオンプランティングなどの栽培テクニックを活用することで、植物の周囲の環境を改善し、生理障害を防ぐことができます。