「かいよう病」を徹底解説！トマトを襲う細菌病

「かいよう病」を徹底解説！トマトを襲う細菌病

「かいよう病」とはどんな病気？

「かいよう病」とは、トマトを侵す細菌性疾患です。葉に水浸状の病斑ができて、やがて拡大して枯死します。果実にも感染し、最初は小さな水浸状の斑点が現れ、その後褐変して腐敗していきます。病気が進行すると、果実全体が水っぽくなり、腐臭を放つようになります。

「かいよう病」の感染経路

「かいよう病」の感染経路は主に次の2つがあります。一つ目は、感染したトマトの種子を通じての感染です。種子の中で病原菌が生き残ることがあり、種子を蒔いて育苗すると感染した苗木が発生してしまいます。二つ目は、病原菌の付着した土や感染したトマトの残渣が介しての感染です。土壌や残渣に病原菌が長期間生存し、トマトの根や茎から侵入して感染します。このため、感染したトマトの栽培地では、連作を避け、土壌消毒などの予防策を講じることが重要です。

「かいよう病」の症状

「かいよう病」は、トマトを襲う細菌性の病気です。主な症状は、果実や葉に現れます。果実では、水浸状の病斑が発生し、成長とともに拡大して軟腐を伴い、やがて黒く腐敗します。葉では、円形または不正形の褐色病斑が現れ、縁に黄色い輪ができます。病斑は拡大し、やがて枯死します。また、茎では、褐色の縦斑が現れます。

「かいよう病」の防除対策

「かいよう病」を防ぐための対策は、次のような方法があります。まず、病気に強い品種を選ぶことです。抵抗性のある品種を選択することで、病原菌の侵入を防ぐことができます。次に、適切な輪作体形を採用することです。同じ作物を同じ畑に連続して栽培すると、病原菌が蓄積する可能性があります。そのため、異なる科の作物を輪作することにより、病原菌の発生を抑えることができます。さらに、土壌を清潔に保つことも重要です。病原菌は土壌中に長時間生存するため、病害が発生した圃場は適切に消毒することが必要です。また、適切な灌漑方法も効果的です。過剰な灌漑は病原菌の増殖を促進するため、適切な時期に適量の散水を行うことが大切です。

「かいよう病」になったときの対処法

「かいよう病」に見舞われた場合の対処法は、迅速かつ適切に行うことが大切です。感染したトマトは速やかに除去し、病変部から10cm以上離れた健全な組織まで切り取ります。また、使用した道具は必ず消毒し、二度とその道具をトマトに使用しないようにします。病原菌を拡散させないためにも、感染したトマトはコンポストに入れず、燃やすか廃棄処分します。さらに、病気が発生した区画では、翌年以降2年以上トマトを栽培しないことが重要です。また、病原菌の二次感染を防ぐために、病気が発生した区画から遠い所に元気な苗を植え、定期的に病気をチェックするなどの対策を講じましょう。