スリップスとは?生態・被害・防除方法について
ガーデニングを始めたい
スリップスについて教えてください。
ガーデニング研究者
スリップスとは、体長1~2mmの細長い虫で、成虫は黄色、灰褐色、黒色系のものが多く見られます。アザミウマとも呼ばれます。
ガーデニングを始めたい
発生時期や寄生植物はありますか?
ガーデニング研究者
発生時期は4~10月で、寄生植物は多くの植物の花、葉、樹皮下です。
スリップスとは。
-ガーデニング用語「スリップス」-
発生時期:4~10月
寄主植物:さまざまな植物の花、葉、樹皮下
被害症状:
* 葉に白っぽい小斑点が現れ、次第に灰色、褐色、黄色に変色
* 葉が縮んだり変形したりする
生態:
* 体長1~2mmの細長い虫
* 成虫は黄色、灰褐色、黒っぽい色が多い
防除方法:
* 薬剤散布
スリップスの生態
スリップスの生態
スリップスは、体長1~3mmほどの小さな昆虫で、農業では重要な害虫です。世界中に数千種が存在し、さまざまな植物に寄生します。スリップスは、植物の細胞内容物を吸汁し、斑点や変色、萎縮などの被害を引き起こします。
スリップスの成虫は、体の両側に羽を持ち、鮮やかな色をしています。幼虫は翼がなく、体の色は白っぽいのが特徴です。スリップスは、温かく乾燥した気候を好み、気温が上昇すると発生が活発化します。成虫は植物の葉裏や茎に産卵し、卵は5~10日で孵化します。幼虫は数回の脱皮を繰り返し、2~3週間で成虫になります。
スリップスの被害症状
スリップスの被害症状は、植物の種類や侵害部位によって異なります。吸汁した葉は、葉緑素を失って黄白化したり、銀色の斑点が生じたりします。また、葉の表面に小さな黒い斑点が多数できる場合もあります。花に被害が出ると、花弁が変形したり、着色不良になったりして商品価値が低下します。さらに、果実に被害が出ると、表面に傷や変形が生じ、果実の品質が損なわれます。また、スリップスはウイルス病などの病原菌を媒介するため、植物に大きな被害をもたらす可能性があります。
スリップスが発生する時期
スリップスが発生する時期は、種や地域によって異なりますが、一般的に気温の上昇とともに活動が活発化します。スリップスは高温多湿を好むため、夏場に発生しやすいですが、ハウス栽培などの人工環境下では、年間を通じて発生することがあります。特に、風通しが悪く換気が不十分な環境や、ほこりや古い資材がある環境は、スリップスの発生に適しています。
スリップスの防除方法
スリップスの防除方法は、そのライフサイクルや生態を理解することが重要です。成虫や幼虫は植物の組織内に潜り込み、成長や産卵を行います。このため、表面的な処理では十分な効果が得られません。
防除には、化学農薬や天敵利用が用いられます。化学農薬では、スリップスの成虫や幼虫に直接作用する薬剤と、植物組織内に潜むスリップスを効果的に防除する系統的な薬剤があります。天敵利用では、スリップスの天敵である捕食性ダニや寄生蜂などを導入して、スリップスの個体数を抑制します。
また、栽培管理を適切に行うことで、スリップスの発生を抑えることもできます。雑草の管理、通気性の向上、適切な灌水と施肥は、スリップスの隠れ場所を減らし、生育環境を悪化させるのに役立ちます。さらに、耐性のある品種を選択したり、マルチ栽培を行ったりすることで、スリップスの被害を軽減できます。
スリップスに寄生する植物
スリップスに寄生する植物
スリップスは、昆虫界の極小の生き物であり、植物に深刻な被害を与える可能性を秘めています。意外にも、一部の植物はスリップスを寄生体として利用し、繁栄しています。このような植物は、スリップスを捕らえ、消化酵素を放出して餌にします。この生態学的関係は、スリップスの個体数を自然に抑制する手段として機能しています。