晩抽性とは？葉根菜類の春まき栽培で重要な用語

晩抽性とは？葉根菜類の春まき栽培で重要な用語

晩抽性の意味と品種差

晩抽性とは、植物が花を咲かせるまでの期間を表す言葉で、同じ品種でも栽培時期や環境によって異なります。葉根菜類の春まき栽培において、晩抽性は特に重要です。

品種によって晩抽性に差があり、早抽性品種は早く花が咲き、晩抽性品種は遅く花が咲きます。この性質を考慮して品種を選ぶことで、春まき栽培において抽苔（とうだつ）を遅らせ、葉や根の収量を高めることができます。

葉根菜類の春まき栽培における晩抽性の重要性

葉根菜類の春まき栽培において、晩抽性は重要な特性です。この言葉は、野菜が花をつけるのが遅くなる性質を指します。春まき栽培の場合、葉根菜類は通常、早春に播種され、初夏に収穫されます。気温の上昇に伴い、野菜は生育が進み、やがて花をつけるようになります。しかし、晩抽性の品種は花をつけるのが遅いため、長期にわたって葉を収穫することができます。

葉根菜類は葉を食用とするため、花が咲くと葉の品質が低下します。花が咲くと、葉は硬くなり、苦味が出たり、栄養価が低下したりします。そのため、春まき栽培では、晩抽性の品種が好まれます。晩抽性の品種を栽培することで、葉が軟らかく風味の良い状態で、より長く収穫することができます。

晩抽性の品種を選ぶメリット

晩抽性とは、葉根菜類の春まき栽培において重要な用語です。晩抽性品種を選ぶ最大のメリットは、低温期でも抽苔（とう立ち）が遅れ、収穫時期が長くなることです。通常、葉根菜類は気温の上昇に伴い、花芽を形成して抽苔するという生理現象が起きますが、晩抽性品種ではこの現象が遅れます。そのため、春先の冷涼な時期から収穫を継続でき、長く新鮮な葉や根を楽しむことができます。

晩抽性を高める栽培管理

晩抽性を高める栽培管理では、葉根菜類の春まき栽培において晩抽性を高めるための管理方法についてご紹介します。晩抽性を高めるためには、適切な品種を選択することから始まります。耐暑性に優れた品種や、抽苔しにくい品種を選ぶことで、高温期に影響を受けにくくなります。

また、栽培期間中の温度管理が重要です。高温にさらされると、葉根菜類は抽苔を促進する物質を生成します。したがって、高温になる時間帯に日よけをしたり、遮光ネットを用いたりして、株への直射日光を遮断する必要があります。

さらに、適度な水やりと施肥も晩抽性を高めるのに役立ちます。過剰な水やりは根腐れを引き起こし、抽苔を促進する可能性があります。一方で、適切な水分は株の生育を促し、晩抽性を向上させます。また、窒素分の多い肥料は抽苔を早めるため、控えめに施すことが大切です。カリウムやリン酸を十分に与えることで、株の耐暑性を高め、晩抽性を維持することができます。

晩抽性の品種のおすすめ

晩抽性の品種のおすすめ

晩抽性品種を選ぶことで、春まき栽培の成功率を向上させることができます。ここでは、おすすめの晩抽性品種をご紹介します。

* -大根- 黒大根、青首大根、聖護院大根
* -カブ- 赤カブ、聖護院カブ
* -ニンジン- ベータリッチ、改良型五寸人参、金美里人参
* -ハクサイ- 九条太茎、冬月、丸葉聚楽
* -小松菜- 菊葉小松菜、大葉小松菜

これらの品種は、抽苔が遅く、春先の気温上昇にも耐性があります。そのため、春の長雨や気温変動の影響を受けにくく、安定した収穫が期待できます。