切り花を長持ちさせる切花鮮度保持剤とは?
ガーデニングを始めたい
先生、ガーデニングで使う『切花鮮度保持剤・切花保存剤』について教えてください。
ガーデニング研究者
切花保存剤は、蔗糖や抗生物質、金属塩などを混合することで、切花の寿命を延ばす効果がありますよ。
ガーデニングを始めたい
種類によっては有効なんですね。でも、STS剤って何ですか?
ガーデニング研究者
STS剤はチオ硫酸銀という薬剤で、カーネーションやスイートピーなど、特定の花の鮮度保持に効果的なんです。
切花鮮度保持剤・切花保存剤とは。
「切花を長持ちさせるために『切花鮮度保持剤』や『切花保存剤』と呼ばれるものが利用されています。切花の寿命を延ばすための研究は、1929年以降継続して行われてきました。市販されている一般的な切花保存剤は、砂糖、抗生物質、金属塩、弱酸などの成分を組み合わせており、種類によっては効果があります。近年注目を集めているSTS剤(チオ硫酸銀)は、カーネーション、スイートピー、キンギョソウ、宿根カスミソウ、トリカブト、デルフィニウム、アルストロメリアなどの切花に効果があることが認められています。」
切花鮮度保持剤の歴史
切花鮮度保持剤の歴史は長く、その起源は古代エジプトにまで遡ります。古代エジプト人は、花をより長く新鮮に保つために、はちみつや酢などの天然物質を使用していました。中世ヨーロッパでは、花瓶に銅貨を入れて細菌の発生を抑え、花の寿命を延ばすことが行われていました。19世紀になると、科学者らが切花に砂糖を加えると寿命が延びることを発見し、これが現代の切花鮮度保持剤の基礎となりました。現在、切花鮮度保持剤は花の老化を遅らせ、細菌の増殖を抑制するように化学的に設計されており、花をより長い間美しく楽しむことができるようになっています。
切花鮮度保持剤の成分
切花鮮度保持剤は、その名の通り、切花をより長期にわたり新鮮に保つために使用される溶液です。この溶液の主成分は、糖、殺菌剤、酸性化剤です。
糖は切花に栄養を与え、鮮度を保つのに役立ちます。殺菌剤は、細菌や真菌の増殖を抑え、切花を傷みから守ります。一方、酸性化剤は切花の pH を下げ、細菌の増殖をさらに抑制し、茎の水分吸収を促進します。
有効な切花鮮度保持剤
切花鮮度保持剤には、花の水揚げを促進し、細菌の増殖を抑える有効な成分が含まれています。最も一般的な成分は、水の pH を調整し、水分の吸収を改善する「シュガー」、細菌の増殖を抑える「漂白剤」、茎の堵塞を防ぐ「吸水促進剤」です。これらの成分を組み合わせることで、切花を長持ちさせ、みずみずしさと美しさを保つことができます。
STS剤とは?
STS剤とは、花卉の切り花鮮度を保つために開発された切花鮮度保持剤です。シクロヘキサミドという化学物質から構成され、エチレンの産生を阻害することで、切り花の老化を遅らせます。エチレンは、植物の老化ホルモンであり、切り花では葉の黄変、花弁のしおれ、花首の曲がりの原因となります。STS剤はこのエチレンの働きを抑制し、切り花の鮮度を保つ効果があります。
STS剤の効果が認められる花卉の種類
-STS剤の効果が認められる花卉の種類-
切花鮮度保持剤の中でも、STS剤(銀チオ硫酸塩)は、特定の花卉に著しい効果を発揮します。STS剤が有効と報告されている主な花卉種を以下に示します。
* カーネーション
* スターチス
* キク
* トルコキキョウ
* スプレーマム
* ヒマワリ
* ガーベラ
* ユリ
これらの花卉は、STS剤処理により、花びらの老化の抑制、水の吸収量の増加、切花の寿命の延長効果が確認されています。また、STS剤と他の切花鮮度保持剤を組み合わせることで、さらに相乗効果が得られる場合もあります。