ガーデニング用語『塩積・塩類濃度障害』とは?
ガーデニングを始めたい
「塩積・塩類濃度障害」ってどういう意味ですか?
ガーデニング研究者
化学肥料に含まれる塩類が土壌に蓄積されて、植物に悪影響を及ぼすことを指すよ。
ガーデニングを始めたい
それで、具体的にはどんな影響があるんですか?
ガーデニング研究者
根が養分を吸収しにくくなったり、根が傷んだり、土壌が酸性化して有害なガスが発生したりするよ。
塩積・塩類濃度障害とは。
ガーデニングでよく使われる「土壌塩分過多」という言葉があります。化学肥料にはさまざまな無機塩が含まれており、土壌に施肥するとその塩分濃度が上昇します。このため、植物の根は養分を十分に吸収できなくなり、時には損傷を受けることさえあります。さらに、土壌の酸性化が進んで有害な酸性ガスが発生し、植物の生育に悪影響を及ぼします。
特にビニールハウスなどの施設栽培では、降雨による塩分の洗浄や屋外のような換気が不十分なため、植物の根と地上部が塩分被害を受けやすくなります。そのため、「土壌塩分過多」は深刻な問題とされ、対策が重要視されています。対策としては、過剰な施肥(特に酸性肥料)を避け、石灰を適度に施し、換気を十分に行うことが大切です。また、土壌の過湿や過乾燥にも注意する必要があります。
化学肥料が引き起こす土壌への影響
化学肥料が引き起こす土壌への影響
化学肥料を過剰に使用すると、土壌に塩分が蓄積されます。この状態が「塩積・塩類濃度障害」と呼ばれ、植物の成長に悪影響を及ぼします。塩分が蓄積すると、植物の根が水を吸収しにくくなり、葉が枯れたり黄変したりします。また、土壌微生物の活動が阻害され、土壌の構造が破壊される可能性もあります。その結果、植物の成長が阻害され、収量が低下するなど、深刻な問題を引き起こします。
根系と地上部への障害
根系と地上部への障害
塩積・塩類濃度障害は、根系と地上部にさまざまな有害な影響を及ぼします。根系では、過剰な塩分が根細胞の水分吸収能力を低下させ、根の成長と分化を阻害します。これにより、根系が衰弱し、植物が土壌から十分な水分や栄養素を吸収できなくなります。
地上部では、塩分が葉や茎の細胞にまで浸透し、細胞内の浸透圧のバランスを崩します。これにより、葉のしおれや枯死、茎の成長障害などが起こります。また、塩分が葉緑体内の光合成色素の働きを阻害するため、植物の光合成能力が低下し、全体的な成長に悪影響を及ぼします。塩積・塩類濃度障害が長期化すると、植物は枯死に至る可能性があります。
施設栽培における塩類濃度の影響
-施設栽培における塩類濃度の影響-
施設栽培では、水や肥料によって土壌中に塩分が蓄積することが課題となります。塩分濃度が高くなると、植物は水を吸収しにくくなり、生育不良や病気の発生につながります。
特に、ハウス栽培やかん水設備を使用した栽培では、塩分の蓄積が顕著に現れます。ハウス栽培では、雨水が流れていくことがないので、土壌中の塩分が蓄積しやすくなります。また、かん水設備を使用した場合、水に含まれる塩分が土壌に蓄積します。
この塩類濃度障害を防ぐためには、定期的な土壌の塩分濃度検査を行い、濃度が高くなっている場合は、水やり量を増やして土壌中の塩分を薄めるなどの対策が必要です。
対策:多肥と酸性肥料の回避
対策多肥と酸性肥料の回避
塩積・塩類濃度障害を防ぐためには、多肥を避け、酸性肥料の使用を制限することが重要です。過剰な施肥は、土壌に塩分を蓄積し、植物の根を傷めます。また、酸性肥料は、土壌のpHバランスを崩し、塩分感受性を高めます。代わりに、緩効性肥料や有機肥料を使用し、施肥量を適切に管理することで、土壌の健康を維持できます。
石灰施用、換気、土壌水分の管理
「石灰施用、換気、土壌水分の管理」
塩積・塩類濃度障害を軽減するためには、いくつかの対策が有効です。石灰施用により土壌のpHを上げると、塩類の溶解性を低下させ、植物が吸収しにくくできます。また、換気を良くすることで、土壌中の余分な水分が蒸発し、塩類が濃縮されるのを防げます。土壌水分の管理も重要です。過剰な水やりは塩類の蓄積を促進するため、土が乾いてから水を与え、過剰な水分を取り除くことが大切です。