生理的酸性肥料を理解しよう！
ガーデニングを始めたい
生理的酸性肥料という用語について教えてください。
ガーデニング研究者
生理的酸性肥料とは、土に施すと土の反応が酸性に傾く肥料のことです。
ガーデニングを始めたい
具体的にはどのような肥料ですか？
ガーデニング研究者
硫安、硫酸加里、塩化加里などが代表的です。
生理的酸性肥料とは。
ガーデニングでは、「生理的酸性肥料」という用語があります。硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、塩化カリウムなどの肥料は、それ自体が中性ですが、土にまくことでアンモニアやカリウムが作物に吸収されると、土のpH（酸性度）が酸性に傾きます。このような肥料のことを生理的酸性肥料と呼びます。
生理的酸性肥料とは？
生理的酸性肥料とは、施肥後も土壌のpHを下げない、またはわずかに下げる肥料のことです。施肥後に土壌が酸性化しないため、酸性土壌を好む植物やアルカリ性土壌に植えられた植物に適しています。主な成分は、アンモニウムイオンや硝酸イオンを含み、硫酸イオンや塩素イオンを含まないものです。
アンモニアとカリウムによる土壌酸性化
-アンモニアとカリウムによる土壌酸性化-
生理的酸性肥料のうち、アンモニア態窒素とカリウムは、土壌を酸性化する傾向があります。
アンモニア態窒素は、植物が栄養として吸収されるときに硝化菌によって硝酸イオンに変換されます。この過程では、水素イオンが放出され、土壌が酸性になります。また、カリウムが土壌から溶け出すと、水素イオンと交換されて土壌の酸性度が高まります。
これらの酸性化作用により、土壌のpHが低下し、植物の生育に影響を与える可能性があります。特に、酸性に弱い作物や土壌緩衝能の弱い土壌では、酸性化の影響が顕著になります。
硫安、硫酸加里、塩化加里の性質
硫安は硫酸アンモニウムのことです。窒素と硫黄を供給する生理的酸性肥料で、水溶性が高く、即効性があります。しかし、連用すると土壌中のpHが酸性になり、作物の生育に悪影響を及ぼすことがあります。
硫酸加里は硫酸カリウムのことです。カリウムと硫黄を供給し、土壌を弱酸性に保ちます。硫安よりも即効性は低くありますが、安定した効果が持続します。また、苦土を含まないため、葉野菜に適しています。
塩化加里は塩化カリウムのことです。カリウムを多く含む生理的酸性肥料ですが、塩素イオンを含むため、連用すると土壌に塩分が蓄積して作物の生育に障害が出ることがあります。また、マグネシウムが含まれないため、葉野菜には適しません。
生理的酸性肥料の効用と注意点
-生理的酸性肥料の効用と注意点-
生理的酸性肥料は、施用後土壌のpHを低下させる（酸性化する）肥料の総称です。硫安（硫酸アンモニウム）や過リン酸石灰などが代表例です。これらの肥料は、植物の生育を促進する効果があります。
主な効用として、植物の根の張りを促進することが挙げられます。また、土壌中の鉄やマンガンなどの微量要素の溶解性を高め、植物の栄養吸収を助けます。さらに、病害虫の発生を抑える効果があるともされています。
ただし、生理的酸性肥料を施用する際には注意点もあります。過剰に施用すると土壌が酸性化しすぎ、植物の生育に悪影響が出る場合があります。また、アルカリ性の土壌では効果が薄れ、かえって生育を阻害することがあります。そのため、土壌のpHや肥料の成分を確認して適切な量と時期に施用することが重要です。
効果的な使用方法
生理的酸性肥料を効果的に使用するためには、適切な使用方法を知ることが重要です。まず、使用する土壌の種類を確認しましょう。酸性土壌には適用せず、中性〜弱アルカリ性の土壌に適しています。次に、施肥時期は春または秋が適しています。成長期に与えると、過剰に吸収され、根を傷める可能性があります。また、過剰施肥を避けるため、規定量を厳守しましょう。適切に使用するだけで、作物の生育促進、病害予防、土壌改良など、さまざまな効果が期待できます。