ガーデニング用語解説：自家受粉

ガーデニング用語解説：自家受粉

自家受粉とは？

自家受粉とは、一つの花の中でおしべから出た花粉が同じ花の中のめしべに付着する受粉のことです。受粉とは、花粉がおしべから放出され、めしべに付着することで実がなるための過程を指します。自家受粉では、花粉とおしべが同じ遺伝子情報を共有するため、遺伝的な多様性が生まれにくくなります。

自家受粉の利点

自家受粉の利点

自家受粉は、植物が自らの花粉を使って受粉する場合です。この方法には、いくつかの利点があります。まず、確実に受粉できます。多くの場合、植物は昆虫や風などの外部からの要因に依存して受粉を行います。しかし、自家受粉の場合、これらの要因に左右されることがないので、確実に受粉できます。

もう一つの利点は、品種の純粋性を維持できることです。自家受粉は、同じ植物の花粉を使うため、遺伝的に純粋な個体が得られます。これは、品種の維持や育種の際に重要です。さらに、自家受粉は種子生産にも役立ちます。多くの場合、種子生産には2つの異なる植物間の受粉が必要ですが、自家受粉であれば1つの植物で済ませることができます。

自家受粉の欠点

自家受粉の欠点

自家受粉は、遺伝子の多様性を低下させる可能性があります。同じ植物が自分自身を受粉すると、子孫は親植物と遺伝的にほぼ同じになります。これにより、病気や害虫に対する抵抗力が低下したり、生産量が低下したりする可能性があります。さらに、自家受粉は、近交弱勢と呼ばれる、特定の遺伝的性質の喪失につながる場合があります。これは、親植物が同じ遺伝的構成を持つため、子孫に有益な形質が少なくなることを意味します。

自家受粉に適した植物

自家受粉に適した植物は、自家受粉種とも呼ばれ、一つの花から雄しべの花粉が雌しべに送られて受精する植物を指します。一般的に、閉鎖花や完全花と呼ばれる花を持つ植物が自家受粉に適しています。

自家受粉に適した植物の例としては、ズッキーニ、メロン、カボチャ、キュウリ、エンドウ豆、トマト、ナス、ピーマンなどの野菜類があります。また、ユリ、チューリップ、ヒマワリなどの花類も自家受粉種です。

自家受粉の行い方

-自家受粉の行い方-

自家受粉とは、同じ個体の雄蕊と雌蕊が交配することです。これは受粉を人が手助けすることで行うことができます。自家受粉を行うには、雄蕊の花粉を雌蕊の柱頭に移す必要があります。これを手助けする方法はいくつかあります。

1. -手で花粉を移す-雄蕊の花粉をそっと取り、雌蕊の柱頭に直接移します。
2. -穂先を使う-やわらかい穂先（綿棒など）を使用して、花粉を雌蕊の柱頭にこすりつけます。
3. -昆虫の助けを借りる-雄蕊と雌蕊が接触するように、花束に近い場所に昆虫を放します。昆虫が花を訪れることで、花粉が柱頭に付着します。

自家受粉を行うタイミングは、雄蕊が十分に成熟して花粉を放出しているときです。雌蕊の柱頭が受容性があり、花粉を付着させることができる状態であることも確認します。適した時期が過ぎると、自家受粉の成功率は低くなります。