閉鎖花とは?スミレで見られる自己受粉の仕組み

閉鎖花とは?スミレで見られる自己受粉の仕組み

ガーデニングを始めたい

先生、「閉鎖花」ってどういう意味ですか?

ガーデニング研究者

閉鎖花とは、花期が終わった後に花茎を伸ばした蕾が開かず、そのまま自家受粉によって種を結ぶ現象のことだよ。

ガーデニングを始めたい

つまり、花は咲かずに種ができるということですか?

ガーデニング研究者

その通り。スミレなどではよく見られる現象だよ。

閉鎖花とは。

園芸用語の「閉鎖花」とは、花後、花茎が伸びた蕾がそのまま成熟して種子を生み出す現象です。この際、花が開かないため、自家受粉によって受粉を行います。多くのスミレにみられます。

閉鎖花とは何か

閉鎖花とは何か

閉鎖花とは、花が開かず受粉と結実が内部で行われる花です。通常、花は虫や風などによって花粉が運ばれ受粉しますが、閉鎖花ではそれが不要です。閉鎖花は、自生植物や栽培植物の両方に見られ、自生地では孤立した環境や限られた受粉媒介者が存在する場所で見られることが多いです。スミレは、閉鎖花を形成する一般的な植物の一つであり、自己受粉によって種子生産を行います。

閉鎖花が形成される仕組み

閉鎖花が形成される仕組み

閉鎖花が形成される仕組みは次のようなプロセスで行われます。

通常、花の雄しべと雌しべは離れており、他花の花粉を媒介者によって受け取って受粉します。しかし、閉鎖花では、雄しべと雌しべが密閉された空間の中に配置されています。この空間を花冠が覆い、外界から遮断されています。雄しべは雌しべよりも早く成熟し、花粉を放出します。花粉は花冠内に閉じ込められ、雌しべの柱頭に接触して受粉が行われます。

閉鎖花の利点

閉鎖花の利点

閉鎖花が持つ利点とは、その自己受粉の仕組みが環境条件の変化に左右されないことです。閉鎖花では、雄しべと雌しべが花の中で閉じ込められており、受粉が安全に行われます。これは、悪天候や昆虫の不足などの外部要因の影響を受けません。さらに、閉鎖花は近交弱勢の回避にも役立ちます。近交弱勢とは、近縁同士の交配によって引き起こされる劣性遺伝子の発現のことですが、閉鎖花では、自己受粉によって遺伝子の多様性が保たれるため、この問題を防ぐことができます。

スミレにおける閉鎖花の役割

スミレにおける閉鎖花の役割

スミレにおける閉鎖花の役割は、自己受粉を促進することにあります。スミレの花では、雄しべと雌しべが花弁で覆われ、「閉鎖花」と呼ばれる花を形成します。花弁が閉じているため、外からの花粉は届かず、自家受粉が行われます。閉鎖花は、悪い天候や昆虫媒介者の不足など、花粉媒介に適さない状況下でも受粉を可能にします。つまり、スミレは、環境に左右されることなく、繁殖を確実に行うことができるのです。

他の植物における閉鎖花

他の植物における閉鎖花

他の植物における閉鎖花

スミレ以外にも、閉鎖花を形成する植物は少なくありません。例えば、ツツジやレンゲツツジなどのツツジ科の植物では、花が開かないまま受粉が行われます。また、エンドウ科のアズキやエンドウ豆にも閉鎖花が見られ、自己受粉が主な繁殖手段となっています。閉鎖花を形成することが、種を確実に残すための適応戦略であることが伺えます。

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