植物の力強さの秘密『膨圧』

植物の力強さの秘密『膨圧』

ガーデニングを始めたい

先生、ガーデニングの用語で『膨圧』というのがよく出てきます。どういう意味ですか?

ガーデニング研究者

膨圧とはね。それは細胞の内側からの圧力と外側からの圧力の差のことだよ。

ガーデニングを始めたい

内側からの圧力って、細胞の中身が膨らむってことですか?

ガーデニング研究者

そう。そして植物の細胞の場合は、細胞壁が膨らむのを防いでいるから、その圧力はすごいんだ。数気圧から数十気圧にもなるんだ。

膨圧とは。

植物学用語の「膨圧」とは、植物細胞内の液体の圧力と外界の圧力の差を指します。植物細胞では、細胞壁が膨張を抑制するため、膨圧は数気圧から数十気圧にも達する高い数値になります。

膨圧の定義と仕組み

膨圧の定義と仕組み

膨圧の定義と仕組み

膨圧とは、植物細胞内の細胞液が細胞壁を押す力のことです。細胞内の水分量が十分にあるとき、細胞壁が細胞液に押されて膨らみ、植物はピンと張り出した状態になります。この膨圧が、植物の形状を維持し、葉や茎が垂れ下がらないようにしています。また、膨圧は水の取り込みや物質の輸送に関与しており、植物の成長と発達に不可欠な役割を果たしています。

細胞壁の役割

細胞壁の役割

細胞壁は、植物における膨圧を形成する重要な役割を担っています。細胞壁は、セルロース、ヘミセルロース、ペクチンなどの多糖類で構成されており、細胞を保護し、形状を維持しています。細胞壁は、隣接する細胞と結合して堅固な構造を形成し、細胞が膨らみすぎないようにしています。この構造が、細胞内に水が入って膨張する時に膨圧を生み出します。

植物の成長における膨圧の重要性

植物の成長における膨圧の重要性

植物の成長において、膨圧は不可欠な役割を果たしています。 植物細胞の液胞には高い濃度の細胞液が蓄えられており、この細胞液は細胞壁に対して内向きに圧力をかけます。 この圧力を膨圧と呼び、植物の細胞壁を押し広げ、植物を支持し、成長させるために必要です。 膨圧が高まると、細胞壁が伸長し、植物の成長につながります。

膨圧の測定方法

膨圧の測定方法

膨圧の測定方法

植物の膨圧を測定するには、主に次の3つの方法が用いられています。

-泡圧法-植物細胞に微少な泡を注入し、その泡が押し広がる圧力を測定する手法です。直接的な方法ですが、細胞にダメージを与える可能性があります。

-圧力プローブ法-細胞膜に非常に細いガラス管を挿入し、その管内の圧力を測定する手法です。細胞を傷つけにくく、リアルタイムな測定が可能です。

-滲透圧法-植物組織をさまざまな濃度の溶液に浸し、その中で細胞が収縮または膨張する点を見つける手法です。この点での溶液の濃度が細胞の膨圧に等しくなります。

膨圧の低下による影響

膨圧の低下による影響

「膨圧」の低下は、植物に悪影響を与えます。まず、細胞が萎縮し、形態が崩れます。これにより、葉が垂れ下がり、茎が曲がり、花が萎れます。また、光合成が低下します。膨圧は細胞を押し広げ、気孔を開くのを助けています。膨圧が低下すると、気孔が開かなくなり、二酸化炭素が取り込めなくなります。さらに、蒸散が阻害されます。膨圧は、蒸散によって水分を葉の表面に押し出すのを助けています。それが低下すると、蒸散が減少し、植物の冷却効果が低下します。

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