ラン科のリードって何？

ラン科のリードって何？

リードとは何か？

ラン科のリードについて説明する前に、そもそも「リード」とは何かを理解する必要があります。リードとは、特定の植物の根や茎が土壌以外の基質から栄養と支えを得るために使用する、特殊な器官です。ラン科植物の場合、リードは主に気生根として機能し、空気中の水分や栄養素を吸収します。ラン科植物のリードは、そのユニークな構造と機能により、環境に適応し、栄養価の低い基質でも生き残ることを可能にします。

リードができる仕組み

-リードができる仕組み-

ラン科の植物では、アリが花の蜜を求めてやってきた時、唇弁にある腺から出る甘い液体を集めます。すると、仲間のアリを呼ぶフェロモンをアリが放出して、より多くのアリがやってきます。アリは花の奥深くに入り込んで蜜を吸い取りますが、その際にアリの体が蕊棒に接触します。

蕊棒には花粉塊（かりゅうかい）という、花粉が２個が固まったものがついています。アリが蕊棒に触れると、花粉塊がアリの頭に付着し、アリが別のランの花を訪れた際に、その花粉塊が雌しべに付着して受粉が行われます。

このように、ラン科の植物はアリを媒介者として受粉を行っているのです。

リードとバックバルブの違い

リードとは、ラン科植物の根茎が変形した器官です。ラン科植物は地生と着生がありますが、リードはどちらも有しています。地生ランのリードは、土の中を這い、栄養や水分を吸収する働きがあります。一方、着生ランのリードは、空気中に出て伸び、樹木などに付着して支えられています。

対して、バックバルブは、ラン科植物の茎が短く縮まってできた器官です。リードと同じように、地生ランと着生ランの両方に存在します。バックバルブは主に栄養分の蓄積の役割があり、球根のような役割を果たしています。また、着生ランでは、リードが水分を吸収するのに対し、バックバルブは乾燥から身を守る役割も担っています。

リードの役割

リードの役割は、ランの成長と生存に不可欠です。リードは、ランが安定して直立できるように地面に固定する根系として機能し、水分や栄養素を吸収します。また、貯蔵組織として機能し、ランが乾季やその他のストレス状態に耐えられるように栄養素を蓄えます。さらに、ランが新しい芽や花を形成するために必要な成長ホルモンを生成します。これらの役割により、リードはランの健康的な成長と繁殖に不可欠な構造なのです。

リードのケア方法

リードのケア方法

ラン科のリードは、室内でも屋外でも栽培できる丈夫な植物です。適切なケアをすることで、何年も美しい花を咲かせることができます。まず、明るい間接光が当たる場所に置きましょう。直射日光は葉焼けの原因になります。次に、土が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。ただし、水はけの良い用土を使い、過湿にならないように注意しましょう。また、生育期には液体肥料を定期的に与えると、成長を促すことができます。冬は休眠期なので、水やりと施肥を減らしましょう。最後に、枯れた葉や花は適宜取り除き、病害虫の発生を防ぎましょう。