オートストロボの直列制御とは?仕組みと特徴を解説
カメラの初心者
先生、直列制御について教えてください。
カメラ写真マニア
直列制御とは、オートストロボの発光量制御方式のことだよ。サイリスタという半導体を使って、発光量が適正になると発光を停止するんだ。
カメラの初心者
それで、発光間隔が短くなるんですね。
カメラ写真マニア
そう。コンデンサに残った電気は次の発光に使えるから、リサイクリングタイムが短縮されるんだ。だから、現在のオートストロボはほとんどがこの直列制御方式を採用しているんだよ。
直列制御とは。
「直列制御」とは、カメラや写真の分野で使われる用語で、オートストロボの制御方法の一つです。フラッシュの光量が適切な明るさに達すると、SCRと呼ばれる半導体スイッチが作動して発光を停止させます。これにより、ストロボに蓄えられていた電力は次の発光に再利用できるため、発光までの時間が短縮されます(リサイクルタイム)。現在のオートストロボでは、TTL方式や外光式問わず、ほとんどがこの直列制御方式を採用しています。
直列制御の仕組み
直列制御とは、フラッシュライトを別のフラッシュライトによってトリガーする仕組みです。マスターフラッシュと呼ばれる最初のフラッシュが発光すると、光信号を送信します。この光信号を受け取ったスレーブフラッシュは、一定の時間差で発光します。この時間差により、一連のフラッシュが順番に発光し、連続照射のような効果を生み出します。
サイリスタ(SCR)の役割
-サイリスタ(SCR)の役割-
オートストロボの直列制御において、サイリスタ(SCR)という半導体素子は重要な役割を果たしています。サイリスタは、アノード、カソード、ゲートの3つの端子を持つ、バイポーラトランジスタに似た半導体デバイスです。
サイリスタは、アノードとカソード間に電圧(順方向電圧)が加えられ、ゲート端子にプラスのトリガ信号が入ると、電流が流れ始めます。この状態になるとサイリスタはオン状態となり、アノードとカソード間の抵抗が非常に低くなり、大電流が流れるようになります。逆に、ゲート端子にトリガ信号が加えられなくなると、サイリスタはオフ状態に切り替わり、電流が流れなくなります。
直列制御のメリット
直列制御のメリット
直列制御を採用する主なメリットがあります。まず、複数のストロボの光量を同時に調整できることです。これにより、ユーザーはシーンの照明条件に合わせて、すべてのストロボの光量を簡単に増減できます。また、直列制御では、複数のストロボを単一の発光源として使用できるため、より均一で拡散された光を実現できます。さらに、直列制御はストロボの再充電時間を短縮でき、高速連続撮影時の効率を向上させられます。
現行オートストロボにおける直列制御
現行のオートストロボにおける直列制御
現行のオートストロボでは、「直列制御」を採用しているものが一般的です。直列制御とは、ストロボ回路内のコンデンサーを直列に接続して電圧を上昇させる方法です。これにより、より高い電圧でフラッシュを放出することが可能になり、より多くの光量を得ることができます。
この制御方式は、さまざまなタイプのストロボで広く使用されています。小型で軽量なコンパクトカメラ用のストロボから、プロレベルのスタジオ用ストロボまで、さまざまな用途に対応しています。
TTL方式と外光式における直列制御
-TTL方式と外光式における直列制御-
オートストロボの直列制御は、TTL方式と外光式という2つの制御方式で利用されています。
TTL(スルー・ザ・レンズ)方式では、カメラ内の露出計がレンズを通った光を測定し、ストロボの出力を制御します。この方式では、被写体への光の反射率や距離に関係なく、正確な露出を得ることができます。また、複数のストロボを組み合わせた場合でも、それらを同期して発光させることができます。
外光式は、ストロボが自ら発光した光を被写体に照射し、その反射光をセンサーで測定して出力を制御する方式です。この方式では、ストロボの光が被写体に届くまでの距離や物体の反射率の影響を受けやすいため、正確な露出を得るには被写体の種類や光の状況に応じた調整が必要になります。ただし、TTL方式に比べて複数ストロボの同期が簡単で、低コストで導入できます。