ペリクルミラーとは何か?利点と欠点を解説

ペリクルミラーとは何か?利点と欠点を解説

カメラの初心者

ペリクルミラーについて教えてください。

カメラ写真マニア

ペリクルミラーは、半透明の鏡で、ファインダーに光を反射し、フィルムに光を通す仕組みです。撮影時にミラーが動かないため、ファインダー像の消失やシャッター時の振動がありません。

カメラの初心者

どのようなメリットとデメリットがありますか?

カメラ写真マニア

メリットは、ファインダーが暗転しないことでフラッシュ撮影に適しています。デメリットは、ファインダー像が暗く、フィルムへの光量が減少することです。

ペリクルミラーとは。

「ペリクルミラー」とは、カメラで使われる薄膜鏡のことです。光を通す半透明の鏡で、レンズから入ってきた光を30~35%反射してファインダーへ、残りの65~70%をフィルムに当てて感光させます。

一般的な「クイックリターンミラー」は撮影時にミラーが跳ね上がりますが、ペリクルミラーは固定式です。このため、シャッターを切ってもファインダー像が消えず、シャッター音や振動も抑えられます。特にファインダーが暗くならない点は、フラッシュ撮影時に光の状態を確認するのに役立ちました。

しかし、ペリクルミラーにはファインダー像が暗い、フィルムに届く光量も減る、ファインダーからの光が撮影画像に影響を与えるなどの欠点もあります。

実用化されたのは1965年の「キヤノンペリックス」が最初です。当時はデュポン社のマイラーフィルムを使用し、厚さはわずか0.02mmでした。翌年の「キヤノンペリックスQL」で一度姿を消しましたが、1989年の「EOS RT」、1995年の「EOS-1NRS」で再び採用されました。

「EOS-1NRS」は極薄のペリクルミラーにハードコーティングを施し、秒10コマ、0.006秒でレリーズできるリアルタイム機能を備えていました。

ペリクルミラーの仕組み

ペリクルミラーの仕組み

ペリクルミラーは、薄い膜(ペリクル)をガラス面に蒸着させた特殊なミラーです。このペリクルはとても薄く、わずか数ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)しかないため、通常のミラーよりも軽量で柔軟性が優れています。

ペリクルミラーの仕組みは、光がペリクルを透過した後、ガラス面に反射して戻ってくるというものです。ペリクルが半透明であるため、光の一部は透過しますが、大部分は反射されます。この性質により、高い反射率と低減された光の吸収を実現しています。

ペリクルミラーの利点

ペリクルミラーの利点

ペリクルミラーの利点としてまず挙げられるのが、非常に薄い膜を使用しているため、軽量で持ち運びやすいことが挙げられます。また、ガラスミラーよりも柔軟性があるため、曲面や自由な形状に成形することが可能です。加えて、高反射率を備えており、鮮明で歪みのない画像を提供します。さらに、耐衝撃性が高いため、輸送や設置時に破損するリスクが低く、耐腐食性に優れているため、過酷な環境でも使用できます。また、通常のガラスミラーと比べて、製造コストが低いため、安価で入手できます

ペリクルミラーの欠点

ペリクルミラーの欠点

-ペリクルミラーの欠点-

ペリクルミラーは多くの利点がありますが、いくつかの欠点にも注意することが重要です。透明度が低い点は、特に暗い環境では視認性が低下することを意味します。また、汚れや損傷を受けやすいため、定期的な清掃と取り扱いに注意する必要があります。さらに、水分に弱いため、雨や湿気の多い環境では使用に適さない場合があります。また、高価であり、他のミラーの選択肢に比べて費用がかかります。

ペリクルミラーの歴史

ペリクルミラーの歴史

ペリクルミラーの歴史

ペリクルミラーは比較的新しい技術であり、1950 年代に初めて開発されました。当初は望遠鏡に使用される軽量で耐久性のあるミラーとして考案されました。その後、1970 年代以降、レーザーや医療用機器など、さまざまな産業における光学用途に広く採用されるようになりました。現在、ペリクルミラーは、その優れた特性から、精密機器や光学機器において重要な役割を果たしています。

ペリクルミラーが採用されたカメラ

ペリクルミラーが採用されたカメラ

ペリクルミラーが広く採用されたカメラでは、その特徴が活かされ、高い性能を発揮しています。一眼レフカメラの「キヤノンEOS-1D Xシリーズ」は、高速連写性能と優れた画質が要求されるプロユースに適しています。ミラーレスカメラの「ソニーα9シリーズ」は、高い動体追従性能とブラックアウトのない撮影を実現しています。また、コンパクトデジタルカメラでは、「リコーGR III」のように、小型化と高画質の両立に貢献しています。

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