ザイデルの5収差とは?レンズの理想状態からの逸脱を解説
カメラの初心者
ザイデルの5収差について教えてください。
カメラ写真マニア
レンズの理想状態からの逸脱による収差で、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の5つがあります。
カメラの初心者
球面収差と他の収差の違いはなんですか?
カメラ写真マニア
球面収差は、レンズの曲率に起因するもので、それ以外の4つはレンズの非対称性や光軸からのずれに起因します。詳細については、それぞれの収差の説明を参照してください。
ザイデルの5収差とは。
レンズの光学的な欠陥を「収差」といい、有名なドイツの光学学者フィリップ・ルートヴィヒ・フォン・ザイデルが分類した代表的な5つの収差を「ザイデルの5収差」と呼びます。
ザイデルの5収差は、広義には「球面収差」(詳細はこちら)に含まれますが、より具体的には以下の通りです。
* 球面収差
* コマ収差
* 非点収差
* 像面湾曲
* 歪曲収差
それぞれの収差の詳細については、個別の項を参照してください。
レンズの収差とは
レンズの収差とは、レンズが光を集めて像を結ぶ際に生じる欠陥やゆがみを指します。理想的なレンズは、一点から出た光がすべて一点に集まるように焦点が合いますが、実際のレンズではさまざまな要因により、像にゆがみが生じたり、焦点がぼやけたりします。このゆがみは収差と呼ばれ、レンズの性能に影響を与えます。主要なレンズの収差は5つあり、ザイデルの5収差として知られています。
ザイデルの5収差
ザイデルの5収差とは、光学系の理想的な軸上像形成から生じる収差を分類したものです。19世紀のドイツの物理学者、ルートヴィヒ・ザイデルによって最初に体系的に研究されました。この5つの収差は、球面収差、コマ収差、乱視収差、像面湾曲、非点収差であり、光学系の性能に大きく影響を与えます。
球面収差
-球面収差-
球面収差とは、レンズの球面形状に起因する収差の一種です。レンズの中心軸を通る光線と周辺を通る光線では、焦点の位置が異なるため発生します。このため、点像が点ではなく、横方向に伸びた線状に像がぼやけます。球面収差は、レンズの口径が大きくなるほど大きくなり、また、レンズの曲率が強いほど顕著になります。
コマ収差
–コマ収差–
コマ収差は、軸外光線がレンズを通過するときに発生する幾何収差の一種です。この収差では、点像がコマ形にねじれて収差します。コマ収差は、グレアやフレアを引き起こし、また、画像の輪郭が不鮮明になる原因となります。
コマ収差の程度は、光線入射角とレンズの開口数に依存します。光線入射角が大きくなったり、開口数が大きくなったりすると、コマ収差は大きくなります。
非点収差
非点収差は、像が一点に集まらない収差を指します。光軸を通る物体光線と光軸から外れた物体光線で像の位置が異なる場合に発生します。非点収差には以下のような種類があります。
* -球面収差- 物体と像が球面上に位置する場合に発生する収差です。
* -コマ収差- 物体が光軸から外れている場合に発生する収差で、像が彗星の尾のような形になります。
* -非対称収差- レンズが非対称に研磨されている場合に発生する収差で、像が特定の方向にゆがみます。
* -歪曲収差- 像が曲がったりゆがんだりして、直線がまっすぐに見えない場合に発生する収差です。
* -像面湾曲- 像が曲面上に形成される収差で、ピントが合わない領域が生じます。