リアフォーカシングについて解説

リアフォーカシングについて解説

リアフォーカシングとは

-リアフォーカシングとは-

リアフォーカシングは、カメラレンズのフォーカス機構の一種で、撮影時にレンズの内側のレンズグループのみを動かしてピントを合わせる方法です。これにより、レンズ全体が前後に移動する必要がなく、フォーカス速度が向上し、レンズの全体的なサイズと重量が軽減できます。

リアフォーカシングレンズは、主に動画撮影やスポーツ撮影に使用されています。動画撮影では、素早いフォーカス合わせが求められますが、リアフォーカシングにより、シャッターを押した瞬間にピントを合わせることができます。スポーツ撮影では、被写体が頻繁に移動するため、高速のフォーカス機構が不可欠です。リアフォーカシングは、このニーズに応えることができます。

リアフォーカシングレンズは、一般的にインナーフォーカスレンズとも呼ばれます。これは、レンズの内部でフォーカスが調整されるためです。インナーフォーカスレンズは、オートフォーカスを高速かつ正確に行うことができますが、外部フォーカスレンズ（フォーカス時にレンズ全体が移動する）よりも高価になる傾向があります。

リアフォーカシングの特徴

リアフォーカシングの特徴として挙げられるのは、レンズ全体を移動させることなくピントを調整できることです。これにより、カメラが被写体に近づいたり遠ざかったりしても、ピントを合わせたまま撮影できます。また、レンズの全長が変わらないため、レンズを交換しても撮影距離が変化しません。さらに、内部フォーカシングのため、レンズの繰り出しが少なく、撮影時にレンズが動く音や振動がほとんどありません。そのため、動画撮影など静粛性を重視する用途に適しています。

インナーフォーカシングとの違い

インナーフォーカシングとリアフォーカシングは、どちらも被写界深度を制御する方法ですが、リアフォーカシングは、被写界深度を設定する方法が異なります。インナーフォーカシングでは、レンズ内のレンズ群を移動させてピントを合わせますが、リアフォーカシングでは、レンズの後部のレンズ群を移動させてピントを合わせます。

この違いにより、リアフォーカシングには、インナーフォーカシングよりもいくつかの利点があります。まず、リアフォーカシングでは、レンズの全長が変わらないため、カメラのバランスが変わりません。また、リアフォーカシングは、インナーフォーカシングよりも高速で静粛に動作します。さらに、リアフォーカシングでは、レンズ内のダストの影響を受けにくいという利点もあります。

AF用レンズでの使用

AF用レンズでの使用では、一眼レフカメラやミラーレスカメラにおいて自動焦点（AF）の機能を持ったレンズをリアフォーカスシステムで使用した場合のメリットを説明します。AFレンズを使用することで、カメラのボディ側で位相差検出やコントラスト検出などのAF機能が使用でき、迅速かつ正確なピント合わせが可能になります。さらに、レンズ内部のレンズグループを移動させることでピントを調整するリアフォーカスシステムは、レンズ全体の重量やサイズが小さくなるという利点があります。これにより、取り回しの良い軽量なレンズを実現することができ、長時間の撮影でも負担が軽減されます。

レンズの長さ変化のないフォーカシング

レンズの長さ変化のないフォーカシングリアフォーカシングとは、レンズの長さを変化させずにフォーカスを調整するフォーカシング方法です。この方式では、内部のレンズ群を移動させることでフォーカスを調整します。リアフォーカシングは、レンズの全長が変化しないため、カメラのバランスが維持され、撮影時の安定性が向上します。また、レンズの全長が変わらないため、外部からの光の侵入を防ぎ、フレアやゴーストの発生を抑えることができます。さらに、内部のレンズを移動させるため、フォーカス速度が向上し、動きの速い被写体にも素早く対応できます。