トポゴン【カメラ用語解説】
カメラの初心者
先生、『トポゴン』についての説明を詳しく教えてください。
カメラ写真マニア
『トポゴン』はカール・ツァイスが開発した対称型の広角レンズだよ。絞りを中心に左右両側に曲率の大きなレンズ群があるのが特徴だ。
カメラの初心者
左右対称の構造なんですね。ほかにどんな特徴がありますか?
カメラ写真マニア
トポゴンは画角のわりには歪曲収差が少ないのが特長だ。そのため、建築物などの撮影に適している。
トポゴンとは。
「トポゴン」とは、カール・ツァイスのルードヴィッヒ・ベルテレが開発した対称型の広角レンズの総称です。レンズの絞りを中心に、曲率の大きな複数のレンズ群が左右対称に配置されています。画角が広いにもかかわらず、歪曲収差が比較的少ないことが特徴です。
トポゴンの開発経緯と特徴
トポゴンは、1930 年代にライカのためにツァイス・イコンによって開発されたレンズです。当時のカメラには、歪みの少ない広角レンズが求められており、そのようなレンズの開発が急務でした。トポゴンの開発は、ツァイスの著名なレンズ計算者であるルートヴィヒ・ベルテレによって主導されました。
トポゴンの特徴は、歪みが非常に小さく、隅々までシャープで明瞭な画像が得られる点です。これは、2 枚の非球面レンズを含んだ複雑な光学設計により実現されています。また、小型軽量で、フォーカシングが簡単なことも特徴です。トポゴンは、その優れた性能から、報道写真や風景写真で使用され、非常に高く評価されてきました。
トポゴンレンズの構造
トポゴンレンズの構造
トポゴンレンズは、3群4枚構成のテッサータイプのレンズです。これは、前群に2枚の凸レンズ、後群に2枚の凹レンズを配置した構造を指します。この構成により、トポゴンレンズは優れた解像力とコントラストを実現しています。さらに、後群の凸凹レンズが像面湾曲を補正するため、全体にシャープな画像が得られます。
トポゴンレンズの歪曲収差の少なさ
トポゴンレンズは、その特筆すべき歪曲収差の少なさで知られています。この収差は、撮影画像の直線に曲がりが生じたり湾曲がしたりするため、被写体の形状が歪んで見える原因となります。しかし、トポゴンレンズは特殊なレンズ設計により、この収差を最小限に抑えています。そのため、直線を正確に描写し、被写体の形が忠実に再現されるのです。
トポゴンレンズの歴史と現在
トポゴンは、広角なのに歪みが少ないことで知られる伝説的なレンズです。その歴史は古く、1930年にカール・ツァイスが開発しました。トポゴンレンズは当初、航空写真用に設計されましたが、その優れた光学性能が認められ、後に一般撮影用にも使用されるようになりました。トポゴンレンズの生産は1990年代に終了しましたが、現在でも中古市場で取引されています。
トポゴンレンズを使用した作例
トポゴンレンズを使用した作例
トポゴンレンズは、その独特の特性から、印象的な画像を撮影するのに適しています。例を挙げると、このレンズはその優れた周辺シャープネスで知られており、風景写真に理想的です。また、開放絞りでも歪みが少なく、建築写真にも適しています。さらに、トポゴンレンズはボケが非常に滑らかで、被写体を美しく際立たせるポートレートにも適しています。