二線ボケとは?風景写真で気になるボケを解説

二線ボケとは?風景写真で気になるボケを解説

カメラの初心者

先生、『二線ボケ』という用語について教えてください。

カメラ写真マニア

『二線ボケ』は、レンズの収差によって起こるボケの見え方のひとつで、直線部分が2本に見えてしまう現象です。

カメラの初心者

なるほど。収差が関係しているんですね。どのようなレンズに出やすいんですか?

カメラ写真マニア

反射望遠レンズ(ミラーレンズ)や、球面収差の補正が過剰なレンズに出やすいとされています。

二線ボケとは。

カメラの世界で「二線ボケ」と呼ばれる現象があります。これはレンズの収差によって起こり、1本の線が2本にボケて見えることからその名が付けられました。特に風景中の細い木々のような直線部分が目立ちます。

収差のないレンズでは、ピントが合っていない部分のボケは単なる光点ですが、球面収差が残っていると、光点が後方にリング状のボケの形で現れやすくなり、これが二線ボケにつながります。そのため、反射望遠レンズ(ミラーレンズ)などで多く見られます。また、球面収差の補正が過剰な場合にも二線ボケが出やすくなります。

幸い、二線ボケはほとんどの場合、絞りを絞ることで軽減できます。ただし、ピント位置の前方のボケでは二線ボケはほとんど発生しません。

二線ボケの原因

二線ボケの原因

二線ボケの原因

二線ボケが起こる原因は、レンズの球面収差です。球面収差とは、レンズが光の像を一点に集光できないために、複数の焦点面が発生してしまう現象です。このため、ボケが重なり合った状態、つまり二線ボケが発生してしまいます。球面収差は、レンズの設計や製造上の誤差によって生じることが多く、特に周辺部や開放絞り値での撮影時に顕著に表れます。また、被写体との距離が近い場合にも、二線ボケが発生しやすくなります。

反射望遠レンズとニ線ボケ

反射望遠レンズとニ線ボケ

-反射望遠レンズとニ線ボケ-

反射望遠レンズは、特殊な光学構造を持つレンズの一種で、遠くの被写体をより近くに引き寄せて映し出します。しかし、このタイプのレンズは、特定の条件下でニ線ボケという独特なボケ効果を引き起こすことがあります。

ニ線ボケは、対象の外側の端に沿って2本の線の形をしたボケが現れる現象です。これは、反射望遠レンズの湾曲したミラーの形状によるもので、背景の光源がミラーで2回反射することで起こります。その結果、ボケが二重になり、線がかった不自然な効果となってしまいます。

ニ線ボケは、点光源や強い光源が背景にある場合に最も顕著に現れます。特に、夜景やイルミネーションの多いシーンでの撮影時に問題になりがちです。

球面収差補正とニ線ボケ

球面収差補正とニ線ボケ

球面収差補正と二線ボケ

レンズの球面収差が補正されると、通常はボケがより均一で滑らかになります。しかし、場合によっては、球面収差が完全に補正されていないレンズで、二線ボケと呼ばれる独特なエフェクトが得られることがあります。二線ボケは、ボケた光の点が線状に伸びて、一本だけまたは二本線が現れる現象です。この二本線は、焦点の合っていない部分の形状によって決まり、花のように放射状になったり、渦巻き状になったりすることがあります。

絞りによるニ線ボケの軽減

絞りによるニ線ボケの軽減

絞りによるニ線ボケの軽減

二線ボケは、絞り値を大きく設定した場合に発生することがあります。絞り値とは、レンズを通る光の量を調整する設定で、数値が大きいほど絞りが狭くなります。絞りが狭くなると、被写界深度が深くなりますが、その一方で、像面湾曲によるニ線ボケが発生やすくなります。

このニ線ボケを軽減するには、絞り値を下げることが有効です。絞り値を下げると、像面湾曲が小さくなり、ニ線ボケが発生しにくくなります。ただし、絞り値を下げすぎると、被写界深度が浅くなり、ピントが合っている範囲が狭くなってしまいます。そのため、ニ線ボケを軽減しつつも、被写界深度を確保する適切な絞り値を見つける必要があります。

ピント位置によるニ線ボケの特徴

ピント位置によるニ線ボケの特徴

ニ線ボケの特徴は、ピントの位置によって変化します。被写体の正面にピントを合わせた場合、背景は均一な円形のボケになりますが、ピントを奥側にずらしていくと、ボケの形状が二線に分かれてしまいます。この現象は、画面中央にピントを合わせたときや、被写体と背景の距離が近いときに発生しやすいです。二線ボケは、被写体と背景の区別が曖昧になり、写真の美しさを損なうことが多くあります。

タイトルとURLをコピーしました