HDRってなに？写真用語を解説
カメラの初心者
HDRについて教えてください。
カメラ写真マニア
HDRとはハイダイナミックレンジのことで、デジタルカメラの白とびや黒つぶれを排除するためのものです。
カメラの初心者
複数枚の露出の異なる画像を合成する技法があるんですね。
カメラ写真マニア
はい、RAW画像から自動的に露出の異なる画像を作成し合成する専用ソフトウェアもあります。
HDRとは。
「HDR」というカメラや写真用語は、「ハイダイナミックレンジ」の略で、回路で処理できる信号の最大の値と最小の値の比を表します。写真においては、階調の最大値と最小値の比率のことです。
デジタルカメラのダイナミックレンジは、人間の目の能力よりも狭く、特にハイライトが弱いとされています。例えば、山の撮影を考えてみましょう。山の影の部分が適切に露出していても、空の雲の階調が失われ、「白飛び」と呼ばれる現象が発生することがあります。
HDRとは、こうした白飛びや黒つぶれを除去したもののことです。これを達成する手法の一つとして、複数の異なる露出の写真をPhotoshopなどの画像編集ソフトで合成する方法があります。極端な例では、アンダーに露出した写真のハイライト部分と、オーバーに露出した写真のシャドウ部分を組み合わせることで、白飛びも黒つぶれもない写真を作成できます。
最近では、一枚のRAW画像から自動的に異なる露出の写真を複数現像し、それらを合成して、どこを見ても露出に破綻のない画像を作成する専用ソフトウェアも登場しています。ただし、HDR効果を過度に加えると、コントラストのない写真になってしまうことがあります。
ダイナミックレンジって？
-ダイナミックレンジって？-
カメラ用語で「ダイナミックレンジ」とは、カメラが一度にキャプチャできる明るさの範囲のことを指します。低いダイナミックレンジのカメラは、暗い部分と明るい部分が失われがちなフラットな画像を生成するため、ハイライトが失われてしまったり、影がつぶれてしまったりすることがあります。一方で、高いダイナミックレンジのカメラは、より広い明るさの範囲をキャプチャできるため、より詳細でコントラストの高い画像を作成できます。ハイライトとシャドウの両方を保持し、より立体的な、自然な外観を与えることができます。
デジタルカメラの弱点
デジタルカメラには、暗い部分と明るい部分を同時に鮮明に表現することが難しいという弱点があります。これは、カメラのセンサーのダイナミックレンジが人間の目のそれよりも狭いためです。
人間の目は、非常に広い輝度範囲を捉えることができますが、デジタルカメラのセンサーは限られた範囲しか捉えることができません。このため、暗い部分や明るい部分を効果的に表現できない場合があり、現実には存在するディテールが失われたり、潰れて白飛びしたりすることがあります。
HDRのメリット
HDR（ハイダイナミックレンジ）とは、通常の画像フォーマットでは表現できない、明暗差の大きい被写体を同時に鮮明に捉える技術です。通常の写真では、明暗差の大きいシーンを撮影すると、暗い部分が黒つぶれしたり、明るい部分が白とびしたりしてしまいます。しかし、HDRでは、カメラが複数枚の露出（明るい部分と暗い部分を別々に撮影した画像）を撮影し、それらを合成することで、明暗差の広いシーンでもすべてを鮮明に表現することができます。このため、風景写真や夜景写真などの、コントラストの強いシーンの撮影に適しています。
HDRの作成方法
HDRの作成方法とは、複数の露出の異なる写真を合成して、明暗差の広いシーンでもディテールが失われないようにする方法です。一般的な手順は以下の通りです。
1. -露出補正ブラケットで撮影-自動露出制御（AE）をオフにして、-2EV、0EV、+2EVなど、さまざまな明るさで同じシーンを撮影します。
2. -RAW形式を使用-RAW形式では、より広いダイナミックレンジの情報が保持されるため、より優れたHDRを作成できます。
3. -合成ソフトウェアを使用-PhotoshopやHDR Proなど、HDR作成用のソフトウェアを使用して、露出の異なる写真を合成します。
4. -トーンマッピング-合成された画像から、最終的なHDR画像を作成するためにトーンマッピングを行います。このプロセスでは、広範囲の明るさを視覚的に快適な範囲に圧縮します。
HDRの注意点
HDR撮影における注意点がいくつかあります。まず、HDR画像は通常、通常の非HDR画像よりもファイルサイズが大きくなります。これは、HDRでは露出を異なる3つの値で撮影し、それらを合成するためです。したがって、保存容量が限られている場合は、注意が必要です。また、HDR画像は一般的にダイナミックレンジが広く、鮮やかな色調を表現できますが、場合によっては不自然な見え方になることもあります。そのため、自然な見た目の画像を維持したい場合は、HDR設定を慎重に調整することが重要です。さらに、HDR撮影には通常、撮影時に三脚を使用する必要があります。これは、異なる露出で撮影するため、カメラを固定する必要があるためです。三脚を使用しないと、手ブレが発生し、HDR画像が台無しになってしまう可能性があります。