伏見港の栄華の跡地「伏見港公園」の見どころは?

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かつて「京の台所」と呼ばれ、江戸時代から昭和初期にかけて米集散地として栄えた伏見港。その歴史的な港湾施設の跡地に整備されたのが、緑豊かな「伏見港公園」です。

公園内には、かつての港の面影を残す石畳や四季折々の風景を楽しめる散策路、そして様々なスポーツ施設などが整備されており、歴史と自然が融合した魅力的な空間が広がっています。

この記事では、そんな伏見港公園の歴史、見どころなどをご紹介します。

伏見港公園ってどんなところ?

歴史のまち、伏見に位置する伏見港公園は、様々なスポーツ施設や芝生広場を備えた府立公園です。京阪本線中書島駅の南改札口から徒歩3分の距離にあり、非常に便利な立地です。

約40,000㎡もの広大な敷地には、綺麗に整備された散策路や屋内外プール、体育館、テニスコートまであり、伏見地域のスポーツの拠点として日々多くの人々が利用しています。また、各スポーツ施設では、子どもから大人までを対象にしたスポーツ教室やイベントが開催され、家族連れにも大変人気があります。

さらに、園内には「龍馬とお龍の像」、公園から徒歩約3分の場所には歴史的に有名な「寺田屋」など坂本龍馬ゆかりのスポットもあり、見どころも豊富。公園の裏手には趣のある桟橋や灯篭のある濠川が流れ、伏見ならではの風情までを感じることができる趣深い場所です。

伏見港から伏見港公園への道程

伏見港公園がある場所には、かつて「伏見港」として栄えた港がありました。

この港は、1594年に豊臣秀吉の伏見城築城の際に造られ、長らく京都と大阪を結ぶ水運の拠点として機能していました。低運賃という特徴から、伏見の水運の中心地として栄えましたが、大峯ダムの建設や京阪本線の開通によって、やがてその役割は次第に終わりを迎えます。

その後、都市計画の一環として、港の船溜まりを埋め立てて公園として整備されることになります。昭和42年(1967)にはテニスコートと子供プールがオープンし、昭和57年(1982)には体育館が加わり、現在の伏見港公園が完成しました。

伏見港公園の見どころ

かつて日本一の米集散地として栄えた伏見港の跡地に整備された公園内には、屋内外プールや四季折々の自然を楽しめる美しい散策路、そして様々なスポーツ施設が充実しており、見どころが満載です。

水遊びを満喫できる屋内外プール

伏見港公園には、通年利用可能な屋内プールと、夏季限定の屋外プールがあり、大人や子ども連れの方から高齢の方まで幅広く利用することができます。

また、平成7年には阪神・淡路大震災の経験を踏まえて、プールで使っている井戸水を災害時に飲み水として利用できるよう、施設の改修も行われています。これにより、通常時に高品質なプール水を提供するだけでなく、災害時には飲み水や日常の生活にも活用できるようになりました。

通年営業の屋内プール

通年営業の屋内プールは、水深1.0〜1.2m、長さ25mで8本のレーンが並ぶプールとなっており、水深30cm/60cmのサブプールも併設されているため、小さなお子様でも安全に楽しむことができます。

また、室内にある温水プールのため、年間を通して天候を気にすることなく水遊びを満喫することができ、採暖室も完備されているため、プールサイドの冷えにも対応しているのも嬉しいポイント。毎週火水木金には、子どもの実力に合わせて参加できる水泳教室が開催されているほか、アクアビクス、シニア水泳など大人向けプログラムも多彩に用意されています。

2024年には改修工事を終えリニューアルオープン:屋内プール

2023年の夏の終わり頃から、屋内プールは改修工事のため一時休業となっていましたが、2024年3月20日に改修が完了し、心待ちにしていた営業再開を果たしました。

このリニューアルにより、プールサイドのシャワーブースは完全に改修され、採暖室も再び利用が可能に。さらに更衣室にはドライヤーが増設されたほか、プールすぐ横の1階トイレも綺麗に改修され、以前に比べて利便性が大幅に向上しています。

3月20日の営業開始日は、「お客様感謝DAY」として屋内プールが無料で開放されましたが、21日からは通常料金での営業が始まり、午前・午後・夜間のスケジュールで利用することが可能です。新たな魅力に溢れた屋内プールで、快適でリフレッシュできるひとときをお楽しみください。

夏季限定の屋外プール

屋外プールは、毎年6月中旬〜8月末まで営業している夏季限定のプールです。水深30cm〜80cmの比較的水深が浅いエリアで構成されており、さらに児童と幼児でプールの区分けもされているため幼児でも安心して遊ぶことができます。

プールサイドには、子どもに大人気のウォータースライダーが計4基設置されており、4歳から小学6年生まで無料で利用することが可能です。屋内プールとは異なり、スイムキャップの着用は不要なため、より開放的に水遊びを満喫することができるでしょう。

各種スポーツ施設が充実

伏見港公園には、屋内外プールだけではなく、テニスコートや体育館、相撲場など、様々なスポーツ施設があります。

広々とした多目的体育館

伏見港公園には、総面積約1,400㎡の広々とした体育館も併設されています。ハンドボールやバスケット、バレーボール、卓球、フットサルなどあらゆる球技に対応しており、スポーツ愛好家や地域の方々にとって重要な施設となっています。また、体育館には500もの観客席も設けられており、定期的にスポーツイベントや大会も開催されています。

快適性抜群な全天候型テニスコート

約4,000㎡の広大な面積には、全天候型テニスコートが6面完備されており、いつでも快適にテニスを楽しむことができます。観覧席も設けられており、試合や練習を見守ることができるほか、クラブハウス(鉄骨平屋)も併設され、男女更衣室や休憩室、シャワー設備、器具庫など、利便性の高い施設まで完備されています。夜間にも楽しむことができるよう、52基の夜間照明設備も設置されており、日没後も満天の星の下でテニスの醍醐味を堪能できます。

全国でも珍しい本格的な相撲場

伏見港公園にある本格的な土俵を備えた相撲場は、全国的にも珍しい施設です。面積407㎡の広々としたスペースには、力強い取り組みを行うことができる土俵1面が配置されています。

土俵に限らず、足洗い場や砂置き場、器具庫など伝統的な相撲の要素を備えた設備も整っており、本格的な相撲場としての環境も整っています。そのため、実際に相撲の練習場として活用されたり、子供の相撲大会の会場としても幅広く利用されています。

四季折々の自然を楽しめる美しい散策路

伏見港公園は、四季折々の美しい自然を楽しめる散策路も見どころの一つ。散策路は、約550mの周回コースで、適度にベンチやトイレも配置されているため、快適なお散歩スポットとして人気です。

この公園の最大の魅力は、春の桜、秋の紅葉、そして冬の雪景色など、四季折々の美しい自然を満喫できるところ。特に、ソメイヨシノをはじめ、様々な桜の木が美しく咲き誇る春の景色は見事であり、伏見の穴場的お花見スポットとして知られています。

さらに、春から秋にかけては十石舟や三十石船の運航も始まり、船上から園内に咲く桜並木や紅葉を眺めることもできます。その景色は格別なため、訪れる価値があります。

季節を彩る楽しみもいっぱい! 伏見港公園の魅力的なイベント

伏見港公園は、伏見の歴史と自然とスポーツの魅力が溢れる公園ですが、それだけではありません。伏見港公園では、年間を通して季節やテーマに合わせて様々なイベントが開催されており、訪れる人々に楽しさや感動を提供してくれます。

例えば、3月には18の酒蔵が出品する「伏見 酒フェス」が開催され、7月には「伏見納涼盆踊り」、11月には「ふしみなーとフェスタ」といった楽しい催しが行われます。

特に伏見港公園、伏見みなと公園広場、伏見みなと広場の3つのエリアを会場とした「ふしみなーとフェスタ」は、秋の一大イベントとして知られており、伏見港公園や周辺エリアが賑わいを見せます。マルシェ、水上アクティビティ、コンサート、ダンスなど様々なイベントが盛り沢山で、子供から大人まで幅広い年代層が楽しめる内容となっています。また同日には、龍馬通り商店街の名物イベント「龍馬祭」も開催されているため、合わせて楽しむのもおすすめです。

伏見港公園の概要

名称伏見港公園
住所​​​​​​​​京都府京都市伏見区​​かす葭島金井戸町
電話番号​​075-611-7081
営業時間24時間
アクセス​​名神高速道路「京都南IC」南へ約10分第2京阪道路「巨椋池IC」北へ約5分

まとめ

この記事では、かつての伏見港の跡地に建つ伏見港公園についてご紹介しました。

広大な敷地を持つこの公園では、緑豊かな芝生広場や美しい散策路があり、季節の移り変わりを感じながらのんびりとした散策が楽しめます。都会の喧騒を忘れ、自然の中で心身をリフレッシュしましょう。

また、屋内外のスポーツ施設も充実しており、バスケットボールやテニス、プールでの水泳など、さまざまなスポーツを楽しむことができます。自分のペースで運動したり、友人や家族と競い合ったりして、心地よい汗を流してみてください。

京都の伏見を訪れた際は、ぜひ伏見港公園に立ち寄って、心身ともにリフレッシュする素敵な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。