【2024年最新】京都・伏見の藤森神社:3,500株の紫陽花の見頃や紫陽花まつりを紹介

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梅雨の季節に、鮮やかな花を咲かせる代表的な植物といえば、多くの人が紫陽花を連想するでしょう。梅雨特有の連日の雨で気分が滅入りがちな時でも、その青や紫の美しい花々は人々の心を和ませ、癒しをもたらしてくれます。

紫陽花を楽しめるスポットは京都に数多くありますが、特に「紫陽花宮」として知られる伏見の藤森神社の紫陽花の景色は格別です。

今回は、そんな藤森神社の歴史に始まり、紫陽花の魅力やそれにちなんだ見どころをご紹介していきます。

京都・伏見の藤森神社とは

藤森神社は、京都の伏見、深草の地に位置する由緒ある神社です。その起源は、京都に都ができる平安遷都前とされており、非常に長い歴史を持ちます。

御祭神には、素戔嗚尊、日本武尊、別雷命、応神天皇など武神や勝負事で知られる十二柱が祀られており、古くから「武運の神社」として信仰を集めてきました。現代では、「勝負事と馬の神様」として知られ、騎手や競馬関係者、そして多くの競馬ファンが参拝に訪れます。

また、藤森神社は京都屈指の「紫陽花の名所」としても名高く、毎年の梅雨時期には境内の広大な庭園に数千株の紫陽花が見事に咲き誇ります。この時期には、伝統的な「紫陽花まつり」も開催され、紫陽花を楽しみに訪れる参拝者が増える一方です。その紫陽花の美しさから「紫陽花宮」とも称され、今では紫陽花でも知られる神社として名を馳せています。

藤森神社の歴史

藤森神社は今から約1800年前、摂生3年(203年)に創建されました。社伝によると、第14代天皇の皇后である「神功皇后」が三韓征伐から凱旋した後、この伏見・深草の地で戦利品を収め、塚を築き、祭祀を行ったのが藤森神社の始まりとされています。

京都の中でも、特に歴史ある神社として知られていますが、創建当初は藤森神社は今のような一つの神社ではありませんでした。実際には、伏見・深草の地の近郊にあった3つの神社が統合され、今の藤森神社を形成したと伝えられています。

そして現在も、その歴史の名残として、藤森神社の本殿には三つの座(中座、東座、西座)が設けられており、各座には合わせて12柱の神々が祀られています。

3,500株が咲き誇る紫陽花の名所

藤森神社は、毎年5月5日に開催される「菖蒲の節句」発祥の祭り「藤森祭」や「駈馬神事」で話題を集める神社です。

そんな藤森神社のもう一つの顔として知られるのが「紫陽花宮」とも称される紫陽花の名所としての魅力。

「源氏物語」にもゆかりのある宇治のあじさい寺「三室戸寺」と並び、伏見を代表する紫陽花の名所として、毎年梅雨の季節になると、多くの観光客が訪れます。

藤森神社の境内には、紫陽花が咲くメインの第一紫陽花苑と小規模な第二紫陽花苑という2つの庭園があり、梅雨時には約40品種、約3,500株の紫陽花が赤、青、紫などの色とりどりの花を咲かせ、見事な景観を楽しませてくれます。

藤森神社の紫陽花苑

第一紫陽花苑(藤勝苑)

第一紫陽花苑は、参道の西側に位置する広大な紫陽花の庭園です。このメインの紫陽花庭園は、豊富な数と多彩な種類の紫陽花が咲き誇り、訪れる人々を色とりどりの美しい景色で魅了します。庭園は回遊式になっており、1周約15〜20分の散策が楽しめます。

さらに、2026年に完成予定の「藤棚を造るプロジェクト」により、敷地内には新たに40メートルもの立派な藤棚が設けられ、園内のバリアフリー化も進められています。この工事によって、第一紫陽花苑の名は、新たに「藤勝苑」と名付けられ、より一層の美しさと訪問者への利便性が向上することが期待されています。

第二紫陽花苑

第二紫陽花苑は、藤森神社の本殿裏の北側に位置しています。第一紫陽花苑と比べるとやや規模は小さめですが、静かな雰囲気の中で紫陽花をじっくりと楽しみたい方には最適な場所です。

入り口付近には、目を引く朱色の橋がかかっており、その上からは360度の紫陽花のパノラマ景色を楽しむことができます。さらに橋を渡って奥へと進むと、木々や神社の建物が美しい背景となり、素晴らしい紫陽花とのコラボも写真に収めることができます。

藤森神社の紫陽花の見頃は?

藤森神社の紫陽花の見頃は、例年6月上旬から7月初旬までとされています。

過去の開花状況を見てみると

2020年は6月12〜21日

2021年は6月12〜21日

2022年は6月10〜25日

までが、6分〜7分先以上で見頃を迎えているという報告が多くあるようです。特に6月下旬からは、紫陽花が満開に近づき、より美しい景色を楽しむことができますので、この時期を狙って訪れてみるのがいいでしょう。

ただし、注意すべき点は、本殿裏の北側に位置する「第二紫陽花苑」は、第一紫陽花苑よりも約1週間遅れて開花する傾向があるということです。

この第二紫陽花苑に咲く紫陽花は、京都市内でも開花が遅いスポットとして知られているため、第二紫陽花苑の見頃を狙う場合は、少し時期を遅らせて訪れることをお勧めします。

藤森神社の紫陽花まつり

藤森神社では、紫陽花の開花に合わせて、毎年6月上旬から約1ヶ月間の間「紫陽花まつり」が開催されます。

この期間に入ると、2つの紫陽花苑が有料で公開されるほか、神事や雅楽・舞楽、蹴鞠、藤森太鼓の奉納をはじめ様々な行事がおこなわれます。

2024年は「6月15日の土曜日10:00」からの開催が予定されていますが、それに先立ち、紫陽花まつりにおける見どころを4つご紹介します。

蹴鞠奉納

紫陽花まつりの見どころの一つが「蹴鞠奉納」です。蹴鞠とは、平安時代から続く伝統芸能で、鮮やかに着飾った蹴鞠師が、鞠を優雅に蹴り合う競技です。

藤森神社では、毎年紫陽花の見頃を迎えるピークの時期に、紫陽花が咲き誇る拝殿を舞台に、蹴鞠師の妙技が披露されます。奉納の際には、一般的に松の枝が添えられるものですが、紫陽花まつりの期間においては、「紫陽花の花」を添えて奉納するのだそうです。

藤森神社の蹴鞠奉納は、蹴鞠を間近で見られる貴重なスポットですので、必見の価値ありです。

藤森太鼓

藤森太鼓は、蹴鞠奉納の後に開催される太鼓の奉納行事で、毎年5月に開催される藤森祭や元日の歳旦祭、節分祭りなどでも行われています。

演奏は、藤森神社を拠点とする「藤森太鼓保存会」によるもの。もともとは、神社の呼びかけによって集められた氏子(神社の関係者)が集まって発足した団体だそうです。

プロ顔負けの力強く勇壮な演奏が特徴で、藤森神社の歴史と伝統までを感じられる貴重な芸能です。ぜひ一度、藤森太鼓の演奏を聴いてみてください。

紫陽花の御朱印

願掛けとしてはもちろん、いろんな神社を巡ってコレクションとしても楽しめる人気の御朱印。藤森神社では、毎年紫陽花苑の公開に合わせて、期間限定で紫陽花の絵柄が施された限定御朱印が授与されます。色合いは、青と赤の2種類があり、さらに「数量限定」のため、より特別感も増すことでしょう。

また、藤森神社は平安時代の日本刀の名刀「鶴丸」や、「馬」とのゆかりもあることから、紫陽花以外にも、刀剣、馬にちなんだ御朱印も用意されています。どの御朱印も個性的なデザインが施されているので、この貴重な機会に、ぜひ御朱印デビューを果たしてみてはいかがでしょうか。

紫陽花の花手水(はなちょうず)

最近、SNS映えするその美しさから話題を集めている「花手水」。花手水とは、神社で手や身を清める手水舎の手水鉢に、草花を浮かべたものを指します。

京都に点在する神社でも、続々と花手水が導入されており、2021年には藤森神社でも花手水が設置されるようになりました。

普段はごく普通の手水舎ですが、紫陽花の期間になると、手水鉢が色とりどりの紫陽花でいっぱいになります。ここで清めの儀式を行えば、その花々の美しさとともに、身も心も清められるでしょう。

藤森神社の概要

社名藤森神社
住所京都市伏見区深草鳥居崎町609
電話番号075-641-1045
営業時間9~17時
拝観料境内無料(紫陽花苑は入苑300円)
アクセス京阪墨染駅下車徒歩7分JR藤森駅下車徒歩5分

まとめ

今回は、伏見の深草に位置する藤森神社についてご紹介しました。

独特の気候から、梅雨時期を苦手だと感じる方は多いかと思いますが、この時期に咲き誇る藤森神社の紫陽花を見れば、そんな気分も一変することでしょう。

また、紫陽花の名所としてだけではなく、平安時代以前に遡る由緒ある歴史や文化の豊かさまでをも感じさせてくれる神社です。

ぜひ、春や秋とは異なる趣きを持つ、梅雨の時期の藤森神社を訪れ、紫陽花の美しさと歴史の重みを感じてみてください。